Gibson Custom shop Lespaul + 63年Gibson Melody maker Conversion

Gibson Custom Shop Les Paul Standardに、1963年製Gibson Melody Makerのネックをセット。
そしてフィンガーボードはES175の指板をチョイスしました。
『ネック』はギターサウンドの中に於いて大きなウエイトを占めると重視されているオーナー様ならではの、こだわりのコンバージョンとなっております。
 

こちらが、レスポールのモディファイ前の姿です。
ヒストリックコレクションができる前のカスタムショップ製です。
オーナー様がニューヨークの楽器店で買われたこのレスポール。ルックスもサウンドも完成度の高い1本でしたが、ここからオーナー様のこだわりが詰まった姿へと変化を遂げていきます。
 

1963年製ギブソン メロディメーカーのネック。
同じメロディメーカーのボディ材(もちろんホンジュラスマホガニーです)を使用してネックエンドを成形します。
 

 

 

メロディメーカーはGibsonのラインナップに於いて廉価ギターという位置付け(それでもダブルマイク仕様は当時のレスポールジュニアより高額な価格設定だったそうです)でしたが、材は同時期のレスポールなど上位機種と同じ厳選された素晴らしいホンジュラスマホガニーやハカランダが使われていました。

このネックを、1枚目の写真にありますレスポールのボディにセットします。

 

 

 
そして、ギブソンES175のフィンガーボードを貼り付けます。
作業中の写真はありません、申し訳ありません(汗)。
 

ヘッドストックですが、ご存知のようにメロディメーカーのヘッドは両端に耳が接ぎ木されておらず細いシェイプとなっています。そのため、ボディからホンジュラスマホガニーを切り出して移植し、ヘッドをレスポールと同じ形状に仕上げました。
 

ヘッドの突板はメイプルで新規作成しております。


そして完成したのが、こちらの姿。

 

 

 
カラーにもオーナー様のこだわりが反映されております。
ちなみにブリッジはバーブリッジという仕様で、オーナー様のこだわりとオリジナリティが溢れる素晴らしいレスポールへと昇華されました。
 
ギタリストの鳴海賢治さんに、演奏していただきました。

 
 
このような貴重な作業をさせていただくことにより、リペアマンとして技術的にも非常に勉強させていただいておりますが、同時に 『サウンド』 に関する造詣を深めることもできます。

例えばギター好きの間で 「ローズウッド指板とメイプル指板の音の違いは?」 「レスポールはソフトメイプルトップとハードロックメイプルトップで音は違うの?」 などという議題があがることがあると思います。そのような時に 「メイプル指板は固いからシャープでメリハリのあるサウンド」 「ソフトメイプルトップの方が柔らかいサウンド」 など “一般論” や “定説” をもとに結論付けたりしますが、果たして実際に同じ個体の指板やトップ材だけを交換してサウンドを聴き比べ、自身の実体験として語れる人がどれだけいるでしょう。

このような作業に従事させていただくことにより、“一般論” “定説” から大きくLeadした “実体験” としての知識を得ることができ、僭越ながらそれをもとにお客様へアドバイスさせていただいたり、モディファイによるお客様の楽器の可能性を広げるお手伝いに活かすことができております。